・勝沼醸造の歴史
1937年に製糸業を営む傍ら、ぶどう酒づくりを始めたのがきっかけで、当時は清涼飲料(主にサイダー)を造っていました。
現社長の有賀雄二で3代目、有賀雄二がワイナリーを継ぐときにワインに特化しました。その後、現社長が世界に通用するワイン造りするために、さらに甲州種への特化を図り、国内の甲州ワインの約10%は当社の甲州ワインになりました。
2012年より3人の息子がワイナリーに入社し、長男の裕剛のブルゴーニュで鍛えたワインづくりの技術と元々兼ね備えた感性により、自然志向なワインへとシフトした。その結果、イギリスで行われる世界最大のワインコンペティションIWCにおいて、多くの賞を受賞するようになり、世界にもその味、品質が認められるワインになった。
・銘柄名の由来、それに込めた想い
日本国内でワインを生産する際に、日本のテロワールを前面に出す名前(例えば、勝沼甲州や山梨甲州)は、消費者から「どうせ山梨のお土産ワイン」というマイナスイメージを持たれ、見向きもされなかった。
そこで、日本で生産されたワインを販売するのに必要なことは何かと考えた結果、まず飲んでもらわなければ何も始まらない、また、日本にはワインマーケットは存在するが、ワイン文化がないと考えた。そこでブランド名の見直しを図った。
2000年頃、現社長の有賀雄二が綿貫宏介氏(享年96歳)と出会い、アドバイスをもらった。出会った際に綿貫氏からは「まるでポルトガル語の様なファミリーネーム」と言われたことをきっかけに、ブランドネームをポルトガル語でファミリーネームをうたうブランド名にしていくことを決断した。アルガブランカのデザインは綿貫氏によるデザインのもの。
・他ワイナリー様との違い(自社だけの特長)
自社だけにしかない特徴でいうと、日本固有品種「甲州種」に特化したワインづくりに取り組んでいること。当社はいち早くワインで世界をマーケットにしていきたいと取り組み始めたワイナリーで、ワインは人と自然が関わりあって次の世代に繋げていく仕事と捉えそのために何をするべきかと考えた結果、日本に根差して約1300年以上の甲州種で世界を目指すと決めたワイナリー。
・日本ワインの良さ、ヨーロッパワイナリーに勝る点は何か。
甲州ワインの良さは、優しくデリケートで控えめなアロマだと思います。フランス人がフレンチにフランスワイン、スペイン人がスペインワインとスペイン料理、イタリア人がイタリアワインとイタリアンに食事をペアリングするのと同じように、日本人は日本で産まれたワインと日本料理をペアリングすることが大事だと思います。それが、今日本のワイン文化に足りないことなのではないかと課題視しています。